• 2015.05.09


  •  


  •  


ゴールデンウィークが終わり初めての週末。
しかし、上海設計室では、日本の連休に関係なく、連日連夜、いくつかの案件に追われていました。

中国で日本人が、というか外国人が建築設計の仕事をするのは非常に難しい。
いわゆる内装設計の仕事は日本と変わりなく(実際はだいぶ違うんですが)ニーズがあり、実力とチャンスがあればできますが、建築本体の設計となると大きく事情が異なります。
日本ではあまり報じられていない中国の建築事情は、その体験を通してでなければなかなか理解ができないと思います。その理由のひとつを少し説明をすると。。。

土地の全てが国有地であり、建築本体の設計の仕事といえば、中国政府による公共工事と土地の開発権を持つ民間のディベロッパーしかクライアントが存在しないという事情があるからです。
建築設計、建築家に対する認識や評価は日本よりも高いと言えます。ただし建築をつくっていくプロセスの中での役割は大きく違い、いわゆるクライアントの意向が大きく影響するのです。
文面だけで見れば「それは日本も変わらない」と言われてしまうのですが、基本的に設計監理というものが存在しない中国では、実際の現場ではクライアントの意思決定一つで全てが変更になっていきます。
気がつけば全然別の建築になっていたという結果も多くあります。そのため外国人建築家はここで孤軍奮闘し、どこまで頑張れるかで結果が大きく異なるということになります。

言葉もままならずコネクションもゼロからスタートという中でおよそ1年、はじめての中国での建築設計の提案を終えました。
日本で建築設計をしていて常々感じていた違和感が、ここへ来てすぅっと消え去り、マイノリティでパイオニアでいたいという欲求をひとつ満たした作業が終わりました。
それはざわざわした自分にとって余計な情報に接することがなくなり、日々に生活にルーティンな作業がなくなり、同じ言語で会話をする仲間がいなくなったということが大きな要因としてあると思います。

その代償の大きさと比例した感覚を得ることができたかなと、ようやく自分自身のスタートを切るきっかけができたかなと感じています。