神戸トアロードアーチ
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2004.04 竣工
兵庫県神戸市
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建築概要
用途:アーチ
規模構造:S造
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トアロードの新しい“原風景”となることを願って、アーチが誕生しました。
トアロードは、神戸中心部を南北に走る神戸を代表する通りです。かつて居留地に住んでいた外国人たちが、商館などの建ち並ぶ元町周辺への通勤に利用した馬車道で、今も異国情緒が漂うお洒落なストリートです。神戸トアロード商店街アーチは、トアロードの南端に位置しています。
このアーチには、ここでいまを営む人々と、震災で多くのものを失った神戸の人々の“想い”を表現しています。それは「場所」、「歴史」、「人」を意味しています。「場所」はトアロードのトアの意味の一つである門を表し、「歴史」は無限大(∞)という記号をアーチの形として表しています。
形態は、四角い柱と円弧状のアーチの組み合わせというシンプルな構成にしています。景観に対して阻害感を与えずに、アーチによってトアロードからの景色を“切り撮る”ことを意識しています。また柱部分もアーチが貫通する部分を境にステンレスとガラスに分割され、そこに照明を施して夜の風景に彩りを与えています。
海の光を受けた明るい神戸の空と、緑映える六甲の山並みを背景に、光の柱とアーチリングが、トアロードの「いま」を“原風景”として切り撮ります。
第38回SDA賞 関西地区デザイン賞受賞